全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評『ビッグディール 上下』

1998年に原著の本です。非常に面白かったのですが、人生のもっと早い時期に読んでいたら良かったかもしれません。 現代の資本主義、アメリカ社会、ゲームのルール、そうしたものがよく分かる本でした。内容的には結構古いと思うのですが、未だに日本の資本主…

書評『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ 等々』

バフェット氏のこれまでの取引に関する本を2つ読みました。これほど各取引の詳細が公開されていて、かつ会計士の署名もある場合も多いのが凄いです。バフェット氏が何を考えたのか、だけは想像になってしまいますが、これだけ事実が積み重なると想像するのも…

書評『バフェットからの手紙 第4版』

2015年の段階の「バフェットからの手紙 第4版」を読みました。以下メモです: ・CEOに金銭貸与して自社株を買ってもらうようなことをしていたのが印象的。ソフトバンクを想起した。今はもうしていないのだろうか。 ・アメックスを売ろうとしていたが、ゴルフ…

書評『ビジネスは人なり 投資は価値なり』

バフェット氏の1994年頃までの活動を大まかに知れる本でした。ただ、細部までは書き込まれていない、プライベートに関してはバフェット氏がそう見せたい演出的可能性、とかもあるかなと思いました。 幼少期のオハマに帰ろうとする描写が印象的でした。全体的…

書評『金融庁戦記』

知らない中堅役人さんの伝記でしたが、結構面白かったです。 限られたリソースでのコスパ重視? ライブドア事件など、「課徴金」で良いのではとか、「堀江主犯」にするために真実が捻じ曲げられていないか(p133)、検察の捜査でライブドアの「株価暴落」とか乱…

書評『ゴールドマン・サックスM&A戦記』

ほとんどが知らない案件でしたが、楽しく読めました(三菱商事のローソンへの出資ぐらいはあってほしかったですが)。GEキャピタルの長銀資産の買取が事業譲渡ではなく株式売買のカタチになったときにどのようにリスクがヘッジされたのか(瑕疵担保条項とかあっ…

書評『GEのリーダーシップ』

最近のアメリカの著名人の回顧録にも関わらず、写真が一切無い本でした。 以前、「GE帝国盛衰史」の方は読んでいましたが、必ずしも何か認識が劇的に変わるとかはなかったですかね。 30万人を雇用する大企業のトップはこんなに大変なのか、というのがひとま…

書評『バフェット』

「不思議の国のM&A」が参考になったので同じ著者のバフェット本を読みました。内容的に結構網羅的で、書いてある内容も信頼出来る気がしました。ただ、この本は1999年に出版されていますが、著者の頑張って砕いて説明している文章を読んでいると、日本社会の…

書評『やっぱり会計士は見た! 』等

ある年の設備投資やM&Aの価値を次年度以降のROAや営業キャッシュフローで確認する感覚は大事にしていきたいです。 やっぱり会計士は見た! 本当に優良な会社を見抜く方法 (文春e-book) 作者:前川 修満 文藝春秋 Amazon ファイナンスに関する基本的な内容が書…

書評『法廷会計学と粉飾決算』

2008年頃に日本で怪しい決算書を提出していた会社に関する分析です。結構面白かったです。 CCCがマイナスのNOVAは悪い意味でのAmazonみたいなことをしていたのが興味深かったです。(リースの会計基準が違うので)日本航空のファイナンスリースみたいなことはG…

書評『堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方』

2004年9月(googleのipoの1ヶ月後)の段階のホリエモンの起業論の本で、結構面白かったです。 ひとまず彼女の両親からお金を借りて起業って、凄いですね。 IPO前にストックオプション放棄して退職する人が続出していた(p118)のも意味不明ですし、成功報酬型ワ…

書評『不思議の国のM&A』

2006年~2007年頃のM&AやTOBに関する議論が分かるような本でした。 三角合併導入に関する章を読んでいて、日本の経済界がこの頃から既に保身的であったのが印象的でした。経団連は三角合併導入の延期を申し入れたそうですが、欧米の同業他社との時価総額が違…

書評『ホリエモンの最後の言葉』

収監前にこのテンションで語れるホリエモンも凄いし、田原総一朗も何か良くわからないけど元気、みたいな本でした。 ひとまずライブドア事件 の2つの容疑のうち1つを勘違いしていた気もしました。運動会で「きをつけ!」の号令があったときに「きをつけ」を…

書評『GE帝国盛衰史』

2023年6月13日のGEの株価が106ドルぐらいなのですが、それは27年前の1996年頃の水準であり、23年前の2000年につけた高値の21%程度と、「衰退」してしまったGEの歴史に関する本です。 uberのときもそうだったのですが(ちなみにGEのイメルト元CEOはuberのCEO候…

書評『決戦!株主総会』

日本企業のガバナンスはここまで凄くなった、みたいな本でしたが、細部にダサい感じが漂っているような本でした。 指名委員会等設置会社のLIXILのCEOだった瀬戸氏は、指名委員会でCEOの退任を求められたとの電話を創業家・旧CEOの潮田氏からもらい、取締役会…

書評『解任』

以前読んだ粉飾決算に関する本でオリンパスが取り上げられていたので読んでみたのですが、正直少し期待外れかもしれません。少なくともCEOの器にある人の書いた文章ではないと思います。 外国人の生え抜き社員はどういう感じなのか、外国人取締役がいること…

書評『心を鍛える』

堀江氏の本と藤田氏の本を読んだので二人が対談するとどうなるだろう、ということで急いでその辺の本屋で立ち読みしてきました。 内容的には、すでに読んだ本とほとんど同じかなと言う感じでした。 藤田氏に関しては、abemaを何故、IGポートと連携したnetfli…

書評『起業家』

ライブドアと同時代に創業したサイバーエージェントの創業者による少し不思議な本でした。というのも、最新の決算を見る限り創業以来のインターネット広告営業はかなり強くamebaブログ等のメディアは売上・営業利益はそうでもないのに、前者に依存するままで…

書評『ゼロ』

2013年、出所後のホリエモンの最初?の本です。一般向けというよりはファン向けの本のような感じでした。 彼の「合理性」へのこだわりは、母親や高校時代までの体験へのアンチテーゼだったのかな、という風に感じました。 中学のときに、通ってた塾のITシステ…

書評『生涯投資家』

村上ファンドのことを知りたくなり読んでみましたが、結構面白かったです。 PBRが1未満の会社に「株主還元」を要求するイメージのあった村上ファンドですが、この本を読むと「社会の資金循環」というのをある種の大義としていたようです。 実際に、この本に…

書評『粉飾決算vs会計基準』

詳細を知らない事件が多く一回読んだだけでは理解が難しいですが、どちらかといえばそれぞれの事件のイメージが覆されるような面白い本でした。 長銀・日債銀 金融債で資金調達していた銀行が、1980年代以降不動産事業に融資をするようになり、多額の不良債…

書評『ヒルズ黙示録・最終章』等

2005~2006年頃の「ニッポン放送株買収」「阪神・阪急の合併」「村上ファンドのインサイダー事件」「ライブドア事件」について面白く読めました。 最後のページに書いてあることに凄く納得感がありました。2004年頃にGoogleがIPOして2005年にFacebookのシリー…

書評『敵対的買収とアクティビスト』

固有名詞が多いどころか知らない事例も多かったですが、何となく面白そうで買ってみたら、凄く面白かったです。ビジネス系の弁護士の方が書く一般本は案外面白いのかもですね。 結論としては、「良い」敵対的買収/株主アクティビズムと「悪い」敵対的買収/株…

書評『スタートアップ 起業の実践論』

日本での起業の方法論というか事例集みたいな本でした。日本だとex官僚をどう巻き込むか、は結構大事な気がしますが、そのへんは特に記載なしでした。マネーフォワードさんの初期の銀行スクレイピングを何故セーフに出来たのか、タクシー広告は本当に効果あ…

書評『起業のエクイティ・ファイナンス』

資本政策に関するトピックが網羅的に記載されており、非常に面白く読みました。非上場の会社でリストリクテッド・ストックを使ってこんなことも出来るのか、と少しビックリしました。それにしてもフェイスブック社は資本政策の失敗の教科書というのも不思議…

書評『爆速成長マネジメント』

企業の成長に関する様々なトピックが掲載されており、面白かったです。ひとまず、アメリカ(のシリコンバレー)ではここまで企業の成長に関する暗黙知を体系化して方法論として確立しているときに、無邪気に戦いを挑んでも勝てる気はしません。何故ごく一部の…

書評『実践スタートアップ・ファイナンス 資本政策の感想戦』

企画としてすごく面白いと思いました。ただ、「感想戦」の主な内容は創業メンバーの持ち株比率と従業員インセンティブであった印象で、その評価額で合っていたのか、他のVC・事業会社から資金調達したらどうなっていたか、同時期にx国で同業種のy社と比べる…

書評『起業家と投資家の軌跡』

前回読んだ『ベンチャーキャピタル全史』と大体同じ内容でしたが、アメリカの産業史なども触れられており興味深かったです。ベンチャーキャピタルのパフォーマンスに関してはこちらの本の方が定量的な分析をしているかと思いました。それにしても、一部のベ…

書評『ベンチャーキャピタル全史』

カタカナの固有名詞が多かったのですが、結構面白く読めました。 捕鯨、紡績、鉄道、と近世・近代日本にも類似の産業がありましたが、それを推進する組織づくりが全然違ったのが印象的でした。 ロックフェラー等のファミリーオフィスも背景にあったようで(p1…

書評『突き抜けろ』

楽天の軌跡を追った本です。個人的には結構楽しめました。 バルセロナやゴールデンステート・ウォリアーズにしろ、スポンサーになることでグローバル採用にはメリットが多そうなのが発見でした。 ただ、気になったのは、この内容を外国語に翻訳してどれだけ…