全球観察

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書評『バフェットからの手紙 第4版』

2015年の段階の「バフェットからの手紙 第4版」を読みました。以下メモです:

 

・CEOに金銭貸与して自社株を買ってもらうようなことをしていたのが印象的。ソフトバンクを想起した。今はもうしていないのだろうか。

・アメックスを売ろうとしていたが、ゴルフ中に法人ビジネスが成功していることを認識して買い増した、というのも興味深い。toBの投資の方法論をもっと知りたかった。

ストックオプション費用化の有無、のれん減損有無、ルックススルー利益(持分法適用会社の包括利益?)、確定~~年金の引当金など今は当時と会計基準が変わったと思われるが、議論として興味深い。

・会計上ののれんと経済上ののれんをどう見極めているのか、は良くわからなかった。

・結局、利益剰余金を配当するべきなのか、再投資するべきなのかの考え方は良くわからなかった。配当よりも自社株買いの方が良い、というのはなんとなくわかった。

・インフレに強い企業だけでなく法人税増税に強い企業も価格支配力があるというのは面白い。

・ミッションステートメントとかは無いのが興味深い。バークシャーの目標は純資産の最大化?

・大株主の有無、大株主の経営参加の有無の3パターンで会社を分類しているのが印象的。大株主がいない会社が経営問題が深刻になりがちだという分析は面白い。株主がいれば株主利益を重視する議論になるが、株主がいないと利益度外視のシェア拡大とかが議論になりやすいのだろうか。持ち合い株主に支えられた日本企業のシェア拡大や海外企業買収路線を想起した。シリコンバレー企業は日本企業にインスパイアされながら、株主利益のためにシェア拡大をするため一時的な赤字を許容する経営を洗練させた?

コングロマリットの正当化が良くわからなかった。アメリカの全ての企業をバフェット氏が購入したらバフェット氏の方が市場よりも効率的に資本配分出来るのか。総合商社への憧れ?みたいのは2015年以降の手紙に書いてあるのだろうか。

・全体的に、どの競争に参加するか、どうすれば良い案件が来るか、どうすれば良い人が集まるか、不毛な関わりをどう避けるか、みたいなものを感じた(直線的な記載はあまりないが)。