全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

書評『アメリカ住宅金融の仕組みと証券化』

リーマンショック及びそれ以降のアメリカの不動産市場を理解する上では必読書な気がします。出版時期も2013年10月で、ちょうどアメリカ不動産市場が急成長し始めるときの雰囲気も感じられます。特に、第四章の証券化の仕組みが参考になりました。 アメリカ住…

書評『世界経済危機とその後の世界』

リーマンショック以降の世界について、色々な論点があり面白い本でした。 「証券化時代の信用創造と自己資本規制のあり方」「ドイツの状況及びドイツ銀行の苦境」辺りが特に面白かったです。観念的な正義を政治が無理に押し付ける、金融機関の倫理の低さ、怪…

書評『銀行カルテ』

2008年のリーマンショック及びそれ以降の金融業界について凄く分かりやすくまとまっている本でした。また、データも多く細かな記述の正確性が信頼出来そうなのもうれしいです。案外こういう短く事実を網羅した本が英語では無い気がします(文章が長いドキュメ…

書評『世界同時不況』

リーマンショックから1年後ぐらいに出された本で、当時の雰囲気がわかって興味深いです。 公的資金投入の難しさ(p175)、金利が上がると住宅価格が上がるアメリカの住宅市場(p140)、ヨーロッパの住宅バブル(p159)、ヨーロッパではデンマーク以外は10年固定ロ…

書評『リーマンショック10年目の衝撃』

米国議会のリーマンショックに関する報告書の一つであるThe Financial Crisis Inquiry Reportなどを参照しつつ、サブプライム問題だけでなく、戦略的デフォルト 、ドル不足に対応できない・2008年7月の利上げ・2011年の利上げ等のECBの無能、流動性の危機、a…

書評『The Financial Crisis Inquiry Report』

アメリカ議会のリーマンショック後の報告書の一つです。以前読んだwall street and the financial crisis報告書はググってもあんまり情報なかったのですが、こちらはFCICとかFinancial Crisis Inquiry Commisionとかでググると結構日本語の情報がありました…

書評『Wall Street And The Financial Crisis: Anatomy Of A Financial Collapse』

世界金融危機後に米国議会が調査した報告書は何個かあるみたいですが、そのうちの1つです。政治的にどういう意味があるのか良くわからないですが、トッドフランク法成立後(OTSは廃止)に報告書は公開されたようです(小委員会のサイト 、提出された資料を集約…

書評『house of cards』

amazonのレビューで大絶賛されていたので読んでみましたが確かに結構面白かったです。この本も翻訳されていないのが不思議でした。ocr→word文書は上手くいったのですが、deepl翻訳があまりこなれた文章にならなかったのが残念でした。 全部で3章あり、「ベア…

書評『all the devils are here』

2008年の世界金融危機の原因について、多角的に分析したエッセイみたいな本です。ひとまずこの本が翻訳されていないのはかなりびっくりするぐらい面白かったです。 登場する組織は非常に多岐に渡り、世界金融危機は複合的な要因によりもたらされたことが示唆…

書評『リーマンショック・コンフィデンシャル』

凄く面白い本でした。著者はたまにcnbcで見るなぐらいな印象だったのですが、こんなに面白い本を書いていたんですね。 リーマン・ブラザーズが倒産する前後の物語をここまで面白く書けるのが凄い!と率直に思ってしまいました。 もちろん「リーマンショック…

書評『ウォーレン・バフェット華麗なる流儀』

バフェット氏はあまり関係ない本でしたが、意外に知らない事実が多く面白かったです。参考文献がごっそり翻訳されていないのが残念でした。 2008年の世界金融危機は「リーマンショック」とされていますが、ベア・スターンズとかメリルリンチの活動の方がより…

書評『史上最大のボロ儲け』

「世紀の空売り」と同じようなテーマについて扱っていますが、この本では2007年に150億ドル、2008年に50億ドルの利益をあげたとされるJohn Paulson氏が主な主人公となっています。なお、Paulson自身はあまりこの本が好きではないようです。 この本に少し出て…

書評『リーマンショック 5年目の真実』

リーマンショック前後の出来事がコンパクトにまとめられてあり面白かったです。強いて言うならば、2007年1月9日に発表されたiphoneがどの程度米国経済の回復に貢献していたのかとかドバイショック とかももう少し知りたかったです。 何故か欧州ソブリン危機 …

書評『創始者たち』

640ページぐらいある本でしたが、不思議なくらいあっという間に読めてしまいました。 現代のスタートアップのhard thingsは大体含まれているような気はしました。あと、イーロン・マスク氏がtwitterで模索している背景に総合金融的なことを志した過去がある…

書評『愚者の黄金』

「世紀の空売り」を読んだあとに、この本にはあまり出てこなかった商業銀行JPモルガンは何故リーマンショックでほとんどダメージがなかったのか知りたく、読んでみましたが結構面白かったです。 いわゆるCDSを最初に商品化したのもJPモルガンだったんですね…

書評『世紀の空売り』

なかなか面白い本でしたが、結局2016年頃に住宅価格は2006年頃の最高値を越えていることを考えると、当時住宅価格が大幅に下落することを予見するのは容易ではなかった、更にその下落が金融市場にも多大なる影響を及ぼすことを予見するのは容易ではなかった…

書評『ビッグディール 上下』

1998年に原著の本です。非常に面白かったのですが、人生のもっと早い時期に読んでいたら良かったかもしれません。 現代の資本主義、アメリカ社会、ゲームのルール、そうしたものがよく分かる本でした。内容的には結構古いと思うのですが、未だに日本の資本主…

書評『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ 等々』

バフェット氏のこれまでの取引に関する本を2つ読みました。これほど各取引の詳細が公開されていて、かつ会計士の署名もある場合も多いのが凄いです。バフェット氏が何を考えたのか、だけは想像になってしまいますが、これだけ事実が積み重なると想像するのも…

書評『バフェットからの手紙 第4版』

2015年の段階の「バフェットからの手紙 第4版」を読みました。以下メモです: ・CEOに金銭貸与して自社株を買ってもらうようなことをしていたのが印象的。ソフトバンクを想起した。今はもうしていないのだろうか。 ・アメックスを売ろうとしていたが、ゴルフ…