amazonのレビューで大絶賛されていたので読んでみましたが確かに結構面白かったです。この本も翻訳されていないのが不思議でした。ocr→word文書は上手くいったのですが、deepl翻訳があまりこなれた文章にならなかったのが残念でした。
全部で3章あり、「ベアスターンズがJPモルガンに買収されるまで」「ベアスターンズの歴史」「ベアスターンズがサブプライム問題で泥沼にハマるまで」がそれぞれかなり詳細に記されています。
・JPモルガンの買収が当初1株2ドルだったのが1株10ドルになったドタバタ(敵対的買収の教科書みたいでした)
・ベアスターンズは(債券)トレーディング部門が非常に強い投資銀行だった
・LTCM問題解決の時に唯一共同出資を拒否した(リーマンは出資金の減額を要求)
・サブプライム問題時にベアスターンズは中国のCITICに出資を求めた
・ベアスターンズを三井住友が出資する可能性があった
とか知らない事実も多く楽しめました。
トレーディング部門がサブプライム系のCDOのファンドを組成し、そのファンドが崩壊する過程が(deeplのせいで)良く分からなかったのでいつか第3章だけ英語で読みたいなと思います。
個人的には、ベアスターンズの救済過程やそのスキームが間違っていたことが、「サブプライム問題」を大きくしてしまった要因の一つにも感じました。山一證券に自主廃業を要請して日銀特融で1111億円の損失をもたらした国の当時の金融関係者はどのようなことを感じていたのでしょうか。
著者のWilliam Cohanさんの本はどれも結構面白そうなのですが、ことごとく翻訳されていないのが残念です。。。
Are Bear Stearns and WaMu Still Steals for J.P. Morgan? - WSJ