全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評『世界同時不況』

リーマンショックから1年後ぐらいに出された本で、当時の雰囲気がわかって興味深いです。

公的資金投入の難しさ(p175)、金利が上がると住宅価格が上がるアメリカの住宅市場(p140)、ヨーロッパの住宅バブル(p159)、ヨーロッパではデンマーク以外は10年固定ローンが一般的(p162)、何故かアメリカ以上の打撃を受けた日本(p166)、量的緩和と信用緩和の違い(p94)、資産が1減少したときに消費が0.05~0.07減少する弾性値の紹介(p138)などいろいろ興味深かったです。

ただ、GSE破綻の理由(p66)やGSEはバブルを煽っていない趣旨(p64)の箇所は少しポジショントークな気もしました。アメリカ議会の報告書ではこの点に関してめちゃくちゃ細かい議論をしていたと思うので。もちろん別のところでこうした議会証言を詳細に紹介してくれています。