全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評

書評「日本の近代 都市へ」

序論や各章で滲み出ている独特の都市論が少し抽象的でよくわかりにくかったです。まあ、ロンドンで生活経験がある方が日本の都市を見たときに感じるなんとも言えないダサさの言語化なのだと思うのですが。 そうした日本の都市のダサさが各論では少し見えてき…

書評「起業の天才」

結構面白い本でした。 独特の強い営業組織がどのように形成されてきたのか知りたく読みましたが、AWS/GCPのようなコンピューティングリソースの時間貸し(そのために作った川崎市テクノピアに関する疑惑が「リクルート事件」の発端)やGoogle Mapsのような事業…

書評「セブン-イレブン 金の法則 ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ」

素晴らしい本でした。 年間10億杯売ってるコーヒーのうち400-600杯ぐらいを多分自分が買っていますが、色々と謎が解けるようなそんな感覚もありました。カフェラテをまだ一度も飲んだことが無かったので早速明日飲んでみようと思います。 全体的に印象的だっ…

書評「The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazon」

素晴らしい本でした。 数年前に日本語版で読んでいて、内容的にもだいたい分かるので思い切って英語版をkindleで読みました。 The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazon 作者:Stone, Brad Back Bay Books Amazon 圧倒的な成功をしたamazonも…

書評「アマゾンの最強の働き方」

さらっと目を通す価値がある本でした。 プレスリリースから書く、パワポではなく6ページの資料にまとめる等はある程度ググったから出てくるような内容かなと思います。採用に関しては正直何が新しいのか良く分からなかったです。評価基準周りは、普通の企業…

書評「ジェフ・ベゾス 発明と急成長をくりかえすアマゾンをいかに生み育てたのか」

同時代の話だからか、めちゃくちゃ面白い本でした。 各章ごとにコメント書いてみました: 第1章 アレクサ―ウーバープロダクトマネージャーとしてのベゾス アレクサをアマゾンが世に送り出すまでの話です。ベゾスが発案し、開発チームを自ら指揮していく様子が…

書評「NETFLIX-コンテンツ帝国の野望」

面白い本でした。 ヘイスティングス氏は何故市場規模が小さいと思われた「宅配レンタル」事業にフォーカスしたのか、なぜ「宅配レンタル」事業でここまで赤字を垂れ流していても大丈夫だったのか、等々の疑問は出てきましたが、結局それが映像コンテンツスト…

書評「ワークルールズ」

グーグルの人材リソースの活用方法が何となく分かる本でした。データ重視HRの観点で、いろいろなデータが出てきますが、少し唐突感があったり趣旨が何なのか良く分からない文脈もあり全体としては読み辛い感じもありましたが。ちなみに、2015年のデータです…

カミュの『異邦人』読んだ

カミュの『異邦人』読んだ。多分15年ぶりぐらいに。 意外だったのは、主人公の感覚や行動は思っていたよりも正常なのではと思ったことだ。 唯一異常だと思われるのは、死にかけているアラブ系アルジェリア人に対して3発も銃を撃ったことだろうか。一方で、こ…

ルールと資本主義

とてもおもしろい本だった。 現在の資本主義の問題点や資本主義の成立に於けるルールの重要性をとても強く感じた。そして多くのルールを改正し公平なものにすることで資本主義はより良いものになるという筆者の主張に同感だ。 最後の資本主義 作者: ロバート…

井上章一『パンツが見える』書評

私達の羞恥心が時代によって異なっていたこと、人々の価値観が移ろいやすく絶対的でないこと、そのようなことをこの本は示している。 現代の感覚とは相当異なるが、昭和初期までは日本の女性はパンツを履いておらず、また履きたがっていなかった。同時に恥部…

高木徹『戦争広告代理人』書評

確かに奇妙なことだった。1992年から1995年まで続いた「ボスニア内戦」は内戦であるのにセルビア系住民だけが国際社会から避難を浴びていたのだ。「民族浄化」的戦争行為は他民族の住民達もしていたのにセルビア系住民だけがしていたことになっていたのだ。…

『神待ち少女』という本を読んだ。

『神待ち少女』という本を読んだ。 著者の黒羽氏 によると近年、泊まれる場所や食事を肉体的な報酬なし=無償で提供してくれる人を待っている少女達がいるそうだ。そうした背景には両親などからもらえなかった「無償の愛」や「終わらない日常」へのスリルを求…

鹿島茂『デパートを発明した夫婦』書評

鹿島茂著『デパートを発明した主婦』では、19世紀に誕生した「デパート」が資本主義社会の成立にどのように貢献したかを示している。 「デパート」は圧倒的な品揃えと生活スタイルの提供で「消費者」を創出したのみならず、そうした商品を管理するための生産…