全球観察

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書評「NETFLIX-コンテンツ帝国の野望」

面白い本でした。
 
ヘイスティングス氏は何故市場規模が小さいと思われた「宅配レンタル」事業にフォーカスしたのか、なぜ「宅配レンタル」事業でここまで赤字を垂れ流していても大丈夫だったのか、等々の疑問は出てきましたが、結局それが映像コンテンツストリーミングサービスを提供する一番の近道だと20年前に判断していたのでしょうか。
 
ちなみに、ビックデータで、良いコンテンツを作り、レコメンドして、ユーザーのエンゲージメントを増やす、netflixの勝ちパターンは今後も持続可能なのかは疑問でしたが、残念ながらその疑問は解消されませんでした。
ただ、そうした勝ちパターンが「宅配レンタル」時代の個々のユーザー獲得・継続・物流オペレーションの改善などから培われてきたものなのだなというのは何となく分かりました。
こちらの泰然自若としたインタビューを見ている限り、競合が多いことが寧ろ市場拡大につながるぐらいな感覚なのですかね。

 
本書に記載されているレンタルDVD自販機が地味に需要あるのが興味深いです。米国でも地域によっては「宅配レンタル」やレンタルビデオ屋が堅調だったりするのかもしれません。dvd.netflix.comはvpn接続すると未だに健在ですが、寧ろこれからまた収益柱になるなんてことはないですよね。
日本では未だに「宅配レンタル」も複数社が提供していますが、エッジの効いたコンテンツは案外「宅配レンタル」でしかないような気もします。街中の「GEO」「TSUTAYA」も地味に変化していると思います。ブロックバスターが地味に変化出来なかった要因も知りたいですね。
netflix.shopで物販的なことをしていますが、パッと見どんなに成功しても全世界で売上1000億円程度になる印象で(それはそれで凄い)、新たな成長源ではないと思います。
 
ちなみに、個人的には、netflixは見たいときに見るみたいな感じで年1~2回ぐらい契約してます(なぜ年間ディスカウントがないのかが不思議です。どの国でも3つの月額料金プランなのでしょうか)。オリジナルコンテンツではamazon primeapple tv+、netflixの順に好きですかね。netflixのオリジナルコンテンツも結構見たのですが2回見たいのが案外少ないというか、見終わったあとに一種の時間の無駄だった感も感じており、netflixのレコメンドエンジンでこれまで知らなかった作品に出会えた経験も案外記憶に無いです。たまに来る再登録メールでも見たい作品が全く表示されないです。
見たい映画はブログやtwitterで発見することが多いのですが、netflixアフリエイトプログラムみたいのは無いみたいですね。

とはいえ、「攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2」がそろそろ配信されるらしいのでそのタイミングで1年ぶりぐらいにnetflixを1ヶ月ほど契約予定です。IGポートの売上も100億円突破予定と順調そうですが、世界各国のローカルエンタメの地殻変動を起こしているのだと思います。
 
何だかんだ、地元のレンタルビデオ屋で今日何借りようかさまよっていた時間が懐かしくなってきました。