全球観察

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書評「アマゾンの最強の働き方」

さらっと目を通す価値がある本でした。

 

プレスリリースから書く、パワポではなく6ページの資料にまとめる等はある程度ググったから出てくるような内容かなと思います。採用に関しては正直何が新しいのか良く分からなかったです。評価基準周りは、普通の企業では見ていない指標を成長のために重視したとかのエピソードがあればもっと良かったと思います。中長期的な報酬設計ももう少し具体的に知りたかったです。
シングルスレッド・リーダーはどの規模で作るのか、パフォーマンスが悪かったときどうなるのか、ソフトウェア上のマイクロサービスとどう関係してくるのか等々もう少し知りたかったですかね。


後半のキンドル/プライム会員/プライムビデオ/AWSでの裏話はやや面白いかと思います。ただ、前半のプロセスの話がこじつけてきに挿入されていたり、そもそもどこまでインサイダーなのか良く分からないところもあり、そこは差し引いて読むべきかなと思います。
キンドルにしろプライム会員にしろ、社員が反対する事業にベゾスがGOしていたあたりは興味深かったです。キンドルは端末をリリースするまでに結構時間掛かっていますね。ソニー電子書籍事業は何がダメだったのでしょうか。
プライム会員に関しては社内内部でもアイデアとしてはあったようで、顧客志向の組織体制の雰囲気を垣間見ました。技術的負債を抱えながらどのようにサービスをリリースしたのかはもう少し知りたかったです。

プライムビデオは様々な失敗の上に成り立っていたこと、ソニーとの連携でテレビやプレイステーションにアプリを載せられるようになったのがユーザー基盤獲得で大きかったこと、それまでに4年も掛かっていたことなどが興味深かったです。ヨーロッパ市場ではサービスを買収したりしていたんですね。アマゾンのM&Aを決めるプロセスも興味深そうです。ところで、Amazon Musicはやや中途半端な印象ですが、これからどうなるでしょうか。

AWSについては、必ずしも重要な意思決定に携わっていないのではと感じながら読みましたが、サービス設計や料金体系を練る上で確かにプレスリリースドリブンな開発体制がたしかに寄与していそうでした。

 

 

追記:

元アマゾンジャパン社員の方が書かれている書籍3つも読んでみました。↑の本を含めてどれも似たりよったりという印象でしょうか。どの書籍もAWSkindleの開発などは当事者ではないので一般論に感じました。アマゾンジャパンでの具体的な業務の方が知りたかったかもですね。