グーグルの人材リソースの活用方法が何となく分かる本でした。
ちなみに、2015年のデータですが、
Profit per employee, 2015:
— dustin curtis (@dcurtis) February 2, 2016
Twitter: -$129,334
Yahoo: $54,182
MSFT: $102,822
Google: $250,367
Facebook: $290,600
Apple: $464,296
ただ、グーグルの強みはこのような「平均」ではなく一部の超優秀層の圧倒的で持続的なパフォーマンスなのだと思います。そうした点から想定される不公平な報酬をどのような手続き的正義で組織内の公平性として実現するかに関しては、詳細は不明とは言え、面白かったです。
この書籍に記載されているような人事制度で吸引された人材が作ったグーグルのいくつもの製品(Google検索/YouTube/Gmail/Google Map/Chrome/Google Drive/GCP/Android/Ad Network/Flutter)は自分の生活に於いてなくてはならないものですが、今後も人材をどこまで吸引できるのかは分からないかと思います。
少し気になるのは、DeepLのようなデータ・アルゴリズム・コンピューティングリソースというグーグルが得意そうな方法論でより良い製品があったり、(数年前のiPhoneから搭載されている)LiDARが未だにAndroid携帯で搭載されているものが無かったり、(AppleやAmazonはユニークな独自コンテンツを提供しているなか)YouTube originalsが未だにパッとしないことでしょうか。Google検索も汚染されていることはここ数年少しずつ指摘が増えている気がします。
よく考えてみると、売上や利益の伸びはエグいとは言え最近のGoogleの製品で革新的なものはあまり目にしていないかもしれません。もしかしたら突然出て来るかもしれませんが。自動運転では分社化したからかあまり聞かなくなった気もしますが、スマートシティー分野で期待ですかね。
もし数年後にGoogleの製品力が劣化していることが明確になってきたならば、Googleは単なるコンピューティングリソースを世界で最も効率的に運用できる企業であっただけで、その先のソリューションを発案/社会実装していくような特別な組織体制を生み出したわけでもなく、この書籍に記載されている内容は寧ろ正解ではないのかもしれません。
個人的に、一部気になったのはポリティカル・コレクトネスの押しつけのような記載があった点でしょうか。
ひとまず次回のGoogle I/Oを楽しみにしたいと思います。