全球観察

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書評『住宅建築文献集成 第11巻』

渡辺財閥の大船田園都市構想と東急の田園都市に関する案内文章などが収録されています。

両方ともちょっとポエムっぽいのですが、結構面白かったです。

当時の都心部は、工場公害・下水の臭いなどもあり住みにくそうであったことが垣間見られます。

東急の田園都市は、ハワードの職住近接ではなく、職住分離として作られ、結局はベットタウンになってしまった印象もありますが、ハワードの田園都市構想が工場を都市内に作る点があることを認識した上で、電車一時間程度で工場に行ければ良いと判断していたことが分かりました。

両方とも外観は洋風が推奨のようでした。個人的には、戦前の住宅街にある数奇屋の方がカッコいいと思ってしまいますが。住宅の外観にこだわるわりに電線はそこまでこだわっていなさそうです。

どのように維持管理するか、周辺の市街地宅地化とどう向き合うべきか、自動車の発展とどう向き合うべきか、どのように次の世代に引き継ぐか、中古流通市場にどのように載せるか、等々はどのように考えていたのでしょうか。

何となくテクノロジーの発展を少し雑に見ていたような気もしました。

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