全球観察

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書評『街並みの形成 』

戦後に関東首都圏で作られた郊外住宅街の紹介です。

ここに出てくるような街は、こちらの街並みデータベースにあったり、

https://www.machinami.or.jp/pages/machinami_search/search_japanese.php

何らかの景観やデザインに関する賞を取得している場合が多いようでしたが、実際に写真や紹介文を読んで住みたくなるかというと残念ながらそうでもないかなという感じです。そこが戦後アメリカの郊外住宅街なり戦前日本の郊外住宅街との違いなのかなと思いました(披露山庭園住宅や千葉ビバリーヒルズを除く)。

少なくとも誰もが知っている「ブランド的な街」は殆ど無いように思いました。

このとき売られた「商品」としての住宅が思っていたよりも今の世代にアピールしないのは、開発面積が少な過ぎるのか、売る側の商品開発力が無かったのか、当時の消費者のニーズが雑すぎたのか、消費者の「商品」の使い方が間違っていたのか、「商品」がそもそも長く手入れをしながら使えるように出来ていないのか、難しいところだと思います。学校の廃校・統合などの記載もチラホラ見かけましたが、実際にどうなのでしょうか。当時の広告も見てみたかったです。

建築協定や街並みの管理費がどれほど今の世代にとり正当化されるのかは興味深いです。建築協定があるから寧ろ売れない、そんな声も聞こえてきそうです。

住宅街のブランドは、表面的な街並みだけでなく、もっと感情を揺さぶるような何かが必要なのではないか、そんなことを思いました。