全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評『郊外はこれからどうなる?』

都市の企画開発のマーケティング手法、東京の郊外発展の沿革、アメリカの郊外開発、などを知れる良い本でした。

p213のコルビジュエの未来的な「輝く都市」ではなく「古くて味のある都市」への需要というのは興味深いトレンドだと思います。

郊外化と職住分離がジェンダーにもたらした影響(p174)、三菱地所のパークハウスの立地の変遷(p64)、1980年代の郊外住宅ポエム広告(p83)、プレハブ住宅技術と軍需産業の民営化(p176)などのテーマも深堀りすると興味深そうです。

いずれにせよ、郊外化を要請していた都心部の空気悪化・治安・「女性は家事」的価値観・自動車文明への期待が変化し、寧ろ郊外の生活環境の悪化が着目されニューアバニズムが台頭したとのことです。その流れなのか良くわからないですが、最近は各国首都圏で高層マンションが増えている印象です。
こうした都心回帰(p115,p203)の流れは今後どうなるのでしょうか。この本に書いてあるとおり結局は子供をどう育てたいかにつながるのだと思います。