書評『トランプ自伝』

1987年出版の本ですが、結構面白く読めました。トランプさんの文章は読みやすいというか、今とあんまり変わらないなという印象です。様々な不動産取引を結構細かく記載していますが、相手方は大丈夫だったのでしょうか。サムゼル氏と同じく資金調達は資本市場に頼ることが多かったそうですが(20年後に破綻したベア・スターンズが主幹事)、こういう風に個人がかなりの大規模不動産案件を手掛けられる背景が分かるようで分からなかったです。

もしトランプさんに彼が当時手掛ける不動産案件に出資しないか、と言われたら、全体的に可能性も感じるとはいえところどころ嘘くささも感じるかもですが、多分答えはYESだと思います。ちなみに、ブラックストーンは多分この本が出版された頃に日興証券に最初のLP出資をしてもらっていた記憶です。ブラックストーンに投資した方が安全で儲かるのでしょうが、トランプさんに投資してジェットコースターみたいに毎週新しい状況を報告してもらう方が面白い気がします。

とはいえ、この本の出版後に所有している法人を6回もchapter 11しているのは何があったのか気になります。

なお、数日前にトランプさんは司法省より三度目の起訴されたようです。