全球観察

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書評「ブラックストーン」

現代の資本主義を理解する上で必読の本に思えました。

成功事例だけでなく失敗事例も多く載せてあり、ざっくりPEが何をしているのか利益の源泉は何かなどが分かったような気がしました。買収先の企業改革だけでなく、景気の波を読むのも非常に大事なのだなと感じました。
サムゼルとブラックストーンの不動産取引のところが個人的には参考になりました。ただ、ブラックストーンから物件を取得した人たちは必ずしも儲けられなかったんですね。
日本のバブル崩壊期に不良債権に困っていた日興証券も、アメリカのRTCが保有する不良債権を購入する不動産ファンドを立ち上げるから資金を入れてくれないかと頼まれて断ったときに、そのファンドがここまで大きくなることは予想していなかったでしょう。


成功報酬=キャピタルゲインとして20%の税金しか掛からないのは、とにかく面白いアイデアを出させることをシステム化したいアメリカっぽいなと思いました。あと、日本でファンドを立ち上げるときにパススルー税制周りでアメリカほど自由では無い気もします。
LBOで作られた持株会社の節税効果はバフェットが批判していたような記憶もありますが、どうなのでしょうか。

アメリカの年金基金の仕組みはもう少し知りたくなりました。保険会社はあんまりPEには投資していないんですかね。
PEやベンチャーキャピタルやプライベートREITを含めたオルタナティブ投資全般の本も読みたくなってきました。