ファミリーマート、パルコ、無印、ロフト、クレディセゾン、吉野家、リブロ、J-WAVE、イープラス、西友、西武百貨店...とたまに使うサービスの源流を知りたくて読んでみました。
その当時の何かに対する「アンチテーゼ」でこれらのサービスは生まれたようです。そして、多くの場合、「資本の論理」に対する「人間の論理」であったようです。とはいえ、この本や当時のCMを見る限り、結局は話題作り先行で記号の操作をしているだけであったようにも見えます。
セゾングループの西洋環境開発が開発したニュータウンも悪くはないのですが、どこか中途半端に見えます。なお、セゾングループの崩壊の直接的原因は不動産事業、特にリゾート開発、であったようです。
セゾングループが手掛けた上記のサービス群もどれもそのカテゴリで1位に位置しているとは言えないと思います。「資本主義の効率至上主義で本当に豊かな生活になったのだろうか」みたいな問題意識から色々手を広げても結局どれも中途半端になってしまうというテーゼを教えてくれるような本でした。
日本社会の不動産バブル時のなんとも言えないチープさというかバブルが崩壊しても復活できなかった理由も何となく分かりました。セゾングループが手掛けた多くの文化的事業がチープに見える今、最も足りなかったのは「資本」であった気もします。
なお、この本で知ったのですが、無印良品の中国でのホテル業は面白そうです。