全球観察

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書評『豊かさの誕生』

「豊かさ」について考える良い本でした。少し翻訳が読みにくかったです。

今後の経済成長はどうなるのか、何故発展後にも持続的に成長する国と停滞する国があるのか、ヨーロッパの都市は人口が少ないのに何故一人あたりGDPが高いのか、発展した国のセーフティーネットの方向性が違うのは何故か、とかを知りたかったのですが、どちらかというと過去の発展に関する分析の本でした。

 

様々な過去の事例から「私有財産制」「科学的合理主義」「資本市場」「交通インフラ」が過去の発展の条件であると結論付けているのはいるのは納得的でした。

イギリスの慣習法に「自然法」が導入され、「司法の独立」も確立していく過程が、不思議でした。17世紀頃の科学革命も東インド会社もイギリスが主要な地でした。

 20世紀初頭のアルゼンチンの経済成長が、経済格差によるポピュリズム政治により終焉したのは示唆的でした。

 

 

私有財産制」 町人地の売買自由化、武家屋敷・農地も実質売買可能

「資本市場」大阪の米先物

「交通インフラ」舟運

「科学的合理主義」江戸時代後期の宇宙論、平賀源内?

近いようなものは、江戸時代の日本にもあったと思いますが、近代ヨーロッパのような発展にはならなかったのも不思議です。「資本市場」が庶民のお金を集積したものではない、「交通インフラ」は陸では歩脚レベルだった、「科学的合理主義」のは大学のようなものというよりは寺子屋レベルだったあたりでしょうか。

 

 

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