全球観察

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書評「安売り王一代」

ドン・キホーテとは、日本特有の中間流通+チェーンストア理論に対するアンチテーゼというのが腑に落ちました(P183)。
全国の店舗拡大がドミナント的戦略ではなく、寧ろそれに対するアンチテーゼのように遠方から展開していった(P119)のも不思議です。独特の売り方はP205にあるような売り手と買い手の境界をファジーにするところに肝がある気がしました。各店舗への権限移譲に関しては既知のこと以上は記載されていませんでした。こうした独特のノウハウは真似は容易に真似出来ないのでしょう。資金調達については特に記載無かったです。

深夜営業等は治安悪化が懸念されますが、いくつかの事件が起きるまではあまり対策がされていなかったのは印象的でした。

 

最終章の、距離感の達人になれ、人を見抜くことは出来ない、運に対するレバレッジというのも参考になりました。在庫を抱える小売とはつくづくギャンブルを毎日しているようなものだと思います。そういう意味で「知恵」だけでなく、「勇気と胆力」で攻めれる人や組織が生存するのでしょう。

youtubeで見てみるとシンガポールや台湾などの店舗も結構面白そうです。何が違うのか言語化しにくいですが、エンタメ感が強い感じでしょうか。日本のドンキも多くの店舗がそこまで面白くなくなってきている気もしており、安かろう悪かろうのイメージも強くなってきたので、逆に海外店舗から新しいドンキの可能性もある気がします。

www.youtube.com

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