全球観察

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最近の書店に関する雑感

私は年間に80~100万円程度新刊書籍を買っているが、書店に関して思ったことをつらつらと書いてみよう。

 

まず一番好きな書店は、京橋の八重洲ブックセンターである。

毎月月初にここに行き、エレベーターで8Fに行き1階ずつ下りながら本をカゴに入れていくのが習慣になっている。検索システムはお粗末だけれども、書籍の探索のしやすさを感じる、もしくは自分の思考回路にこの書店の棚の並び方が合致しているのかもしれない。それ以外にも、途中で席に座って窓の外を見ながら休憩できたり、文房具も意外に揃っていたり、ブックカバーが素敵だったり、そもそも自社ビル?である気概が好きだ。

ここに行って無かった本を他の書店で探す。日本橋丸善や神保町の東京堂や新宿のブックファーストとかで。それでも無かったら、もしくはそんなに書店に行く時間が無かったらamazonのボタンを押す。amazonのカゴに入っていてボタンを押せば数時間以内に届くのに、わざわざ電車賃を払って八重洲ブックセンターに行っている。

 

先ほどの探索のしやすさとも関連するが、30冊欲しいとして、18冊ぐらいしか店頭に無くても、それらを探している間に25冊ぐらい追加で新しく欲しい本が増える。それが楽しい。

 

ただ、検索システムはとても使いにくい。検索条件の詳細指定が出来なかったり、置いてある棚の位置が曖昧すぎたり、そもそもUIがどうなのかなと思う。多分2gram。lucene 6の時代なのだからもっといろいろ検索させて欲しい。以前、本の位置が分からなくて店員さんに聞いたら、凄く必死に探してくれた。そういう本への愛?みたいのも好きだった。ただ検索システムの高性能化の方がうれしいかな。現段階では検索システムは新宿のブックファーストが一番良いように思う。

 

八重洲ブックセンターは意外に冊数が少ない気がする。amazonのリストにある本の消化率はいつも50~70%前後だ。かと言ってスペースもあまり無いのでしょうがないのだろうか。レジはもう少し減らせるかな。逆にピアノとかを置いて欲しい。この書店の良い所は、読書人の余裕みたいのが垣間みられるところなのではないかなと思うので。

冊数がより多いその他の書店は何故か歩きにくかったり、書棚の内容がわかりづらかったり、人が多すぎたりして探しづらずらかったりする。あと、過剰にオシャレな書店も探索しづらいし、発見も少ないように思う。以前台北の誠品書店に行ったら凄くオシャレな雰囲気だけれども、逆に本を探しづらいような気がした(あと本の紙の質もあまり良くない?)。八重洲ブックセンターは今のような不思議な探索容易性を今後も維持して欲しい。

 

最近はどの本がどこにあるかとか、検索システム上は在庫なしと表示されているが文庫の棚に行けばあるかもしれないとか、その辺の勘が働くようになっている。だからこそ、最近本棚の大幅な並び替えが合った時は少し残念だった。こういうのは前もって言って欲しいし、詳細図を紙にでも印刷しておいて欲しい。その辺の洗練さが少し足りないかなと思った。ちなみに、一覧性等の観点から今の方が良いという実感は無い。

フロアごとに担当者が明確になっても良いかなと思う。書籍のソムリエみたいな人が居ると有り難い。

amazonのレコメンドシステムも必ずしも高性能ではない気がしている。勿論これがないと読書生活のクオリティーが大幅に下がることは間違いないのだが、異なる商品でも同じようなレコメンドであったりするのを感じる。カートに入っている商品へのレコメンドもユーザーごとに計算しているはずなのにそこまで意外性が無い。

 

外国に行って、大都市でも書店が意外に小さいことに驚くことがある。最近ではローマはとても小さかった。ロンドンとか北京はそこそこ大きかったかな。洋書とかも日本語訳の方が安かったり、原書が絶版になっていても翻訳版は買えたりするのは有り難い。日本語圏の出版コストの相対的安さは素晴らしい。それを支えている方々に感謝したい。

 

書店が良い街は良い街だと思っていた。特に古本屋が良い町は。最近は意外にパチンコ店のトイレも注目したほうが良い気がしている。いずれにせよ八重洲ブックセンターのトイレは残念だ。ここは今直ぐにでも改修した方が良い気がする。

 

ブックカバーは八重洲ブックセンター日本橋丸善が好きだ。その本が馴染んできたらブックカバーを外すという読書行為なのでブックカバーは必ず付けて欲しい。

新宿のブックファーストみたいに数千円以上のお買い上げでコーヒー券プレゼントみたいなことをしても良いのではと思う。なお八重洲ブックセンター備え付けの喫茶店ももう少し全体的なクオリティーが高くて良い気がする。昭和の純喫茶ぽい雰囲気は嫌いではないのだが。ちなみに、東京堂のカフェはまだ使ったことがない。

八重洲ブックセンターは夏に小さな線香花火大会とかしていて少し面白い。ピアノの演奏会とかもして欲しい。

 

新刊書店は不思議なもので、冊数が多くて会計金額が多ければ多いほど店員の態度が雑になる気がする。寧ろ今の出版不況ならば一人あたりの単価を高めるべきなのではないかなと思うのだが。私の周りにも完全amazon化している人も多いが、自分もそうなってしまうかもしれない。八重洲ブックセンターにはそこそこ満足出来ているが、冊数、探索容易性、トイレ、その他のサービスの継続的な改善を期待したい。

 

最近は御茶ノ水丸善に少し注目している。医学生が多いからかそういう方面の本が多い。やはり書店は少しだけ個性が合ったほうが良い。以下の記事。紀伊國屋新宿南店の洋書フロアは少しハイカラな雰囲気があったので分かる気がする。

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ボタンを押せばamazonから数時間以内に全ての本が届くのに、全ての本が入手できないのにわざわざ書店に行き本を買う。その曖昧なところに読書文化があるのだと思う。