明治初期の起業、今の大企業の源流、のようなものが少しわかるような本でした。
以前、日本の金融制度は土地本位制であるというような本を読みましたが、どちらかというと著名人に出資してもらった株式を担保に銀行から借りるような株式担保金融を重視しているようでした。
武士が商人となりビジネスをする上で、国家のためというような大義を渋沢栄一が提唱していたのも興味深いです。それが後の軍部との連携につながるようですが、團琢磨が暗殺された血盟団事件や財閥解体に反対した岩崎小弥太の言い分なども見ると、財閥とファシズムの関係性も不思議な気がしました。
裏日本の一部である富山出身の浅野総一郎も安田善次郎にしろ、浜松で創業した本田宗一郎にしろ、みんな結局東京に行くのも不思議でした。
1883年に長崎造船所を「貸し下げ」したようですが、土地に関しても所有権ではなく地上権を与えるとかでも良かった気がしますが、どうしてそうしなかったんですかね。
知りたくなったこと:
・江戸時代の奉公人の教育体制は会社組織運営とどの程度連続性あるのか
・鉄道、電気、ガス、水道、通信などのインフラでの企業家たち