全球観察

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書評『首都圏大予測』

2012年2014年2017年と三浦さんの郊外分析を読みましたが、2020年のも読んでみました。

吉祥寺が流行を追いすぎている(p206)、旨の記載がありましたが、この本に関してもちょっとそんな感じもしました。

コロナもありましたが、2022年の地価上昇率からだと「東京北側の地価上昇」(p36)という感じはしないですかね。

 

 

埼玉の東京・千葉に対する転入超過はちょっと意外でした。もともと異文化を受け入れてきた素養がある埼玉の多様性という強み、という観点は面白かったです。そこが同質性という排除の論理があるニュータウンや他の郊外との違いなのでしょう。「クリエイティブサバーブ」とまで言えるのかは良く分からなかったです。

ウォーターフロントの倉庫街はアートの展示会場になったりイベント施設になったりしてますが、戸田市とか倉庫が多いのに全然そういう雰囲気ないですよね。

 

ひとまず、マスハウジング的1960~1980年代郊外へのアンチテーゼとしての「都心タワマン」があり、その「都心タワマン」へのアンチテーゼとしての「下町的シェア暮らし」があり、その全てに対するアンチテーゼとしての「埼玉的無印暮らし」があるという理解です。

「女性の働き方」と「外国人」の動向が重要そうです。自治体がお金をばらまいて人を集めるとかではなくて、条例を制定したりHOA的住民組織の活動で街の価値が上がると良いなと思います。

吉祥寺の中道通りのあるお店が閉店してビルに建て変わることになったことに対するイヤな予感みたいなのは(p209)こちらの広島の一等地の事例を想起しました。それぞれの地権者の事情はあると思いますが、街の発展をあまり考えない人が増えるとあまり良くない気がします。

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