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書評『tokyo新川ストーリー』

東京都中央区の新川という場所に注目した歴史です。豊かな歴史や住民コミュニティーがありながら、高騰する都心部の土地価格のなかで、結局ありきたりな中途半端な街になってしまったような印象です。ある意味日本の街の発展のダメなところが凝縮されている気もしました。

歩いてみると、意外に歴史史跡があったり、小さなお店があったりもするのですが、何というか街として何というか、という感じの印象だったのでこの本に答えは無かったのですが、色々と感じるものはありました。

 

ひとまず、駅前のドトールの営業時間の短さが意味不明です。

 

新川エリアにはジェイン・ジェイコブズは居なかったわけですが、ある都市計画によって破壊されたというよりは、地価の上昇により街が変わってしまったのだと思われます。ある種の市場の失敗なのかもしれません。

 

標準値番号: 中央区5-17(東京都中央区新川1-17-27)の公示地価を見てみると、2022年で「236万0000 円/m2」であり、2013年よりは80万円ぐらい上昇していますが、

 

その22年前の1990年は「1400万0000円/m2」でありました。そこから6分の1ぐらいの価格を推移しているのが今ということです。

 

こうしてみると、この本にも当時の様子が記載されていますが、地上げとか地価の上昇に対してあまりにも無防備だったのではないか、それがあまりにも街を破壊してしまったのではないか、という気もします。

住み続けたい人も多かったようですが、多くの方は転出したようです。なお、中央区は再開発の開発利益をもとにしたコミュニティファンドで家賃補助をするような仕組みも導入していたようです。 p204

 

とはいえ、1936年に東京湾汽船が芝浦に移ったときから、このエリアの役割が曖昧になっていたようです(p146)。戦後の復員などもあり1955年に人口が最大となったあと(p175)、オフィス街っぽくなりつつもゆるやかに人口減となりました。

 

1997年に自主廃業した山一證券もこのエリアにオフィスを構えていました。

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地租改正、第一次大戦後の好景気、関東大震災、昭和恐慌、戦時体制、戦後の財産税、戦後復興計画と度々所有者が変わっていたようですが、道路の拡張計画が地権者の交代を促したのも興味深いです。p94

いずれにせよ、法人所有が増えたようです。 p196

 

なかなか興味深い本でした。

 

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/39.3/0/39.3_181/_pdf

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