全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評『郊外の20世紀』

非常に面白い本でした。

 

・1907年頃の「観音林」以来、郊外に商品として供給された住宅地は継承に苦しんでいる。住環境は高確率で劣化している。

・戦前の郊外住宅地は「健康」がテーマであったとも言える。ただ、鉄道会社主導であったりと、結局は周辺での一定の宅地開発を前提とした利便性が想定されており、そのテーマは自らに滅びの遺伝子があった。

・戦後の郊外住宅地は様々なテーマの住宅地やニュータウンが生まれたが、結局はベッドタウン

・イギリスでもレッチワースのような職住近接型の郊外よりはハムステッドのようなベッドタウンの方が主流。

アメリカの1980年代のエッジシティーの試みは現代的な職住近接型の郊外を追求したものである。

・人口減少や都心回帰などもあるなか、郊外が生き延びるにはむしろもっと強いテーマが必要。

 

kobecco.hpg.co.jp