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書評『限界ニュータウン』

戦後に、東京中心部から60kmぐらい離れた郊外で、小規模な開発業者が雑に宅地分譲した「限界ニュータウン」の今に関する本です。

 

 

60kmぐらい離れていると車で90分、電車で60分というイメージでしょうか。ロンドンから60km離れた「田園都市」レッチワースに行くのもそれくらいのようです。

 

「限界ニュータウン」の特徴は、都心部の狭さと田舎の不便さというデメリットが組み合わさっているところにあるようです。一方で、田舎的コミュニティーが良くも悪くも無く、自分で近隣区画を購入したりインフラを管理したりと「セルフビルド」する楽しさもあるようで、「田舎暮らし」の新しい一つの選択肢にもなり得そうです。

 

「限界ニュータウン」は、明治維新以降の日本の不動産商品で最も品質が悪いだけでなく、日本の不動産開発業者の雑さ や日本の田舎の別荘地のインフラ管理の大変さなどをある種の極限状態として提示しているとも言えます。だからこそ日本の不動産のあり方を考える良い材料なのかもしれません。

こうした極限状態に関しての記述を読んでいると「不在地主」という単語がチラホラ出てくることから、戦後に農地改革がされたのに「宅地法」は制定されなかったことを想起しましたが、どちらかというとアメリカのHOAのような自治会・管理組合の力を増大させるような方向の法改正が良いのかなという気はしました。

 

堤康次郎氏率いる箱根土地が1915年頃から軽井沢の山林60万坪を別荘地開発して今に至るまで人を惹きつけている事例の凄さを改めて実感しました。

 

youtubeを見ると、イギリスやアメリカやヨーロッパ各国にもこういう限界ニュータウンはありそうですね。所有権だけの問題では無さそうです。

 

ちなみに、下記はよく分からなかったです。

・「限界ニュータウン」の「宅地」前の地目は「農地」?「山林」?

・なぜロンドンから60km離れたレッチワースのような職住近接の街が東京近郊にはないのか

・なぜ60km離れている街なのになぜ区画が狭いのか

・自然災害時にどうするのか

・結局日本には「限界ニュータウン」がどの程度あるのか

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