全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

書評『アメリカ金融革命の群像』

アメリカの個人向け金融サービスの発展に関する本で、知らない固有名詞が非常に多かったですが、結構楽しめました。

ひとまず「なぜJCBは単なるクレジットカード会社で終わったのか」「なぜ日本ではMMFが普及しなかったか」「なぜ日本のひふみ投信みたいのは中途半端なのか」、みたいな点を考える上でアメリカでクレジットカードなりMMFなりミューチュアルファンドがどう発展していったかを理解していくのは非常に有益に思われました。

また、その流れはP2P送金サービスのzelle,visa/mastercardの即時出金,iaas,baas,手数料無料の証券会社ロビンフッド,手数料無料の銀行chime,多種多様なマイホーム購入の資金調達 etcで現在進行中なのだと思います。日本の個人向け金融サービスが中途半端で営業でゴリ押して売るような方法論ばかりが蓄積されてしまいがちなのも何となく分かった気がしました。シアーズのマネしてクレジットカードを発行したり有楽町店で総合金融的サービスも提供したセゾンがそこまで新しいサービスにならなかったのも何となく理解できました。

 

個人的には、「1974年のエリザ法の影響」「アメリカン・エキスプレスなどのシングルアクワイアラ」「visa/mastercardがどう国際展開したか」「個人向け金融サービスに係る詐欺などの犯罪」「クレジットカードの債権とMMFの貸出の関係」「消費と借金とピューリタン的感情の克服」などはもう少し詳しく知りたかったです。

この著者が2008年のリーマンショック後の2011年に書いた『all the devils are here』に登場する金融機関のその20~30年ぐらい前の素朴?な様子も微笑ましいです。1997年当時はこの著者の本が邦訳されましたが、2011年の本は邦訳されていない点も少し気になります。

 

 

メモ:

・百貨店のSears cardのチャージカードは1950年代に2500万人の保有者(p201,p366,p579)ダイナーズカードなどはすでにあったが、バンク・オブ・アメリカによる「クレジットカード」は顧客側が支払い限度額も決められ支払いのタイミングも決められるなど顧客側の裁量が多い点が重要だった(p43)。加盟店も大量の小切手による支払いの処理などがなくなるメリットがあった。

・当時の銀行法で複数の州で営業することが難しかったが、「クレジットカード」は拠点が無い州でも発行出来た(p84)。また、「利息制限法」も本社のある州法と顧客側の州法では本社のある州法が優先された(p278)

・各州の銀行ごとに「クレジットカード」のライセンス契約をしたものが発展したのが「visa」や「mastercard」(p86)。インターチェンジや認証などの取り決め(p105)やITシステム投資(p153)。各州の銀行が集まって手数料等を決めても独禁法的には問題にならなかった。

MMFFRB金利規制であるレギュレーションQの抜け道となった p119

・1970年代の「インフレ」の経験で「金利」が商品価値になった(p337)。「MMF」や「ミューチュアルファンド」の台頭。1974年のエリザ法により制定された「IRA」口座 も追い風(p409)。

・1970年代の「インフレ」時に銀行のクレジットカード部門は大幅な損失を出した(p277)

・フィデリティは「ミューチュアルファンド」だけでなく「MMF」も提供した。さらに「MMF」に小切手発行機能もつけた(p127)。ファンドが出金しやすくなるが、総合的な利便性の追求(p130)。

・1987年のブラックマンデーによりフィデリティの「ミューチュアルファンド」の預かり残高は減ったが「MMF」は増えた。ブラックマンデーでもベビーブーム世代の中流階級の人たちは株式市場から退場しなかった(p518)。

・1977年にメリルリンチはCMAを発表したが、手数料収入減少を恐れる所属ブローカーの抵抗もあり、それにより集まった資金を必ずしも有意義に商品化出来なかった(p233)

・シュワブは支店を持たないディスカウントブローカーだったが、支店を作ることで取引量が増えた。支店という心理的安全性(p181) 。

・銀行はグラススティーガル法で保険や投信や投資銀行ビジネスをすることに規制があったが、ディスカウントブローカーに何も規制がなかった(p369)。バンク・オブ・アメリカはシュワブを買収。のちにシュワブはMBOして独立。だが、新しい金融サービスの前でのグラススティーガル法の形骸化が示唆された。

・「デビットカード」が相互利用可能になることは各州の銀行の利益を侵害すると思われたため、「visa/mastercard」搭載の「デビットカード」はアメリカではそこまで普及しなかった。ヨーロッパではなぜか普及(p439)。

・クレジットカードでの支払いを毎月律儀に返済する顧客は必ずしも優良顧客ではない。個人情報や信用情報に関する法律の制限を受けつつも、大量のデータから「高額」「リボ払い」「律儀な返済」をしてくれる優良潜在顧客を見つけてDMなどを送り顧客化する方法論が蓄積された(p451)。

 

 

 

Charles Schwab Corporation - Wikipedia

Regulation Q - Wikipedia

 

https://www.nytimes.com/1973/01/07/archives/overnight-mutual-funds-for-surplus-assets.html

 

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書評『アメリカ住宅金融の仕組みと証券化』

リーマンショック及びそれ以降のアメリカの不動産市場を理解する上では必読書な気がします。出版時期も2013年10月で、ちょうどアメリカ不動産市場が急成長し始めるときの雰囲気も感じられます。特に、第四章の証券化の仕組みが参考になりました。

メモ

証券化の全体像

https://www.vmi.co.jp/jpn/bestvalue/pdf/bv04/bv04_05.pdf

https://www.attomdata.com/news/market-trends/mortgage-origination/attom-q2-2022-u-s-residential-property-mortgage-origination-report/

 https://www.newyorkfed.org/medialibrary/interactives/householdcredit/data/pdf/HHDC_2023Q1

https://www.lendingtree.com/home/mortgage/u-s-mortgage-market-statistics/

・各投資銀行の繰り上げ返済予測は相当なばらつきがあり、繰り上げ返済の予測の難しさを示唆している p109

・住宅ローンの証券化までの一次保存をwarehousingという p44

mbsネガテイブコンベクシティのカーブになる p122

fhaローン

サブプライムローンとfha/vaローン(とcraローン)は借りる層が重複する。サブプライムは変動金利が多いが、fha/vaローンは固定金利が多い。fha/vaローンは完全な書類が求められる。 p66

サブプライムローンは借り入れ目的が新規住宅購入よりも既存ローンの借換えが多い(2004年、2005年はそれぞれ64%、59%) p71

サブプライムローン(変動、固定)への借り換え理由としての「キャッシュアウト」は2003~2005年で90%程度だった。全ローンだと37%~67%の間。 p103

https://www.mortgagecalculator.org/helpful-advice/mortgage-statistics.php

・fhaローンの自己資金は少なくとも3.5%以上が必要。fhaの保証料は政策的によく変わる(2023年の変更)  p65

・seller assisted down payment loanで売主に頭金を支援してもらう方法もあるが(売り主は社会貢献+節税対策になる)、買い主の債務不履行率はコンベンショナルローンの3倍であった。2008年にfhaはこのローンへのモーゲージ保険をやめた。やめなければ150億ドルの損失になる可能性があった

1986年税制改革において第1および第2住宅を担保とした借入金の金利については所得控除が可能となった。ホームエクイティローン普及。カードローンや自動車ローンは所得控除不可。ホームエクイティローンはABSと分類されることが多い p74

GSE

・1968年のファニーメイ民営化は債務を連邦予算から外す目的があった p27

・1999年9月のny timesの記事にある通り、GSEに中低所得者向けローンを増加させる政治的な圧力があった。2004年以降サブプライムローンやalt-aの買い取りが急増。

https://www.fhfa.gov/AboutUs/Reports/ReportDocuments/2010_AnnualReportToCongress_N508.pdf

米国債利回りとMBS利回りの格差は拡大することがある。住宅金利上昇を防げないGSEの役割とは? p246

https://blog.firstam.com/economics/mind-the-gap-between-mortgage-rates-and-the-10-year-treasury-yield

・S&LのMortgage Backed Bondsはカバードボンドみたいなものだった。だが、GSEのMortgage Backed Securitiesに取って代わられた。 p174

fannie maeexpanded approval system(やmy community program),freddie macはloan prospector systemを2000年代初頭に開始しサブプライムやalt-aの保証も開始した p73 なお、2008年第2四半期までにファニーメイが報告したサブプライムエクスポージャー1100億ドルのうち、報告額はわずか80億ドルだったので情報開示/詐欺でSECより提訴される。

GSEに住宅ローンを売却する際はrepresentation and warranty条項があるため、事後的に不適合であることが判明した場合、レンダーに買い戻しを要求できる(gse repurchase制度) p178

GSEの指名であるpromotion of affordable housingに貢献している保有資産は30%程度 p249

・日本の住宅金融支援機構債はローンプールを担保として機構が発行する債券。ローンプールと債券残高をマッチさせる「擬似パススルー」。信用リスクは機構、繰り上げ返済リスクは投資家。p275

https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F11173139&contentNo=1
サブプライム問題発生及び解決

・2002~2004年上旬にかけて変動金利ローンの貸し出し急増。短期金利の低下を反映。

・2006年3月7日 週刊エコノミストの「米国住宅バブル崩壊」特集で米国住宅バブル崩壊の可能性が指摘された。 2005年8月1日日経「米住宅ローン、緩む審査基準」などの記事もあった。p185

・2007年12月にショートセールによる債権者の債権相当分を所得税法上の損金処理とする税制改革 p96

・住宅金利の引き下げ:2008年12月にはFRBは実質ゼロ金利に。2006年から2011年の間に、30年固定ローンは6.41%から4.45%に、変動金利ローンは5.54%から3.03%になった。

・hope now: 2007年10月発足。foreclousre回避。2008年2月にはproject lifelineもスタート。

・ローン上限の引き上げ: 2008年2月のEconomic Stimulas ActでFHAローンの上限がその地域の住宅価格の中間値の125%になった。コンベンショナルローンも最大で上限が62.55万ドルとなった。

・FHAローンへの借り換え推進:2008年7月30日にHERAが成立。

GSEローンの救済策: Making Home Afforadble Program(MHA)

・HARP: MHAの一環で2009年3月開始。物件がunder warterでも低金利GSEローンへ借り換え可能。208万件の借り換え実績。

・HAMP: MHAの一環で2009年3月開始。TARPから500億ドルの予算。foreclousreに瀕した借りて推定300~400万人の救済。サービサーを通じて新しいローンに借り換えさせる。2012年時点で累計で約114万人に適用。 p222

・HAFA: HAMPの適用を受けなかった借手に2010年4月より導入。GSEが関与したHAFAでは、支払い延期やローン条件の緩和で230万人程度、ショートセールなどで40万人程度が利用した。民間金融機関の利用件数は不明。 p225

・悪質なforeclousre対策:政府は調査レポートを2011年4月に公表frbもrobo-siginingmのようなサービサー業務改善命令。2012年2月9日に総額250億ドルの政府と民間業者の和解

モーゲージブローカー対策:mortgage fraudの増加傾向に伴い2005年から2007年でも損害額は1120億ドルに達した。2011年の議会のレポートでも大きく取り上げられる。2008年7月にSecure and fair enforcement of mortgage licensing (SAFE Act)で登録制度を抜本見直し。

・2011年4月の段階で170万戸のshadow inventoryがあった。5ヶ月分の中古販売件数に匹敵する潜在在庫。serious deliquencyが79万件、foreclousre開始が44万件、レンダーである金融機関が所有者となったREO物件が44万件。shadow inventory予備軍のunder warter(物件価格<ローン残高)も200万件以上あった。 p206

・2012年4月にはshadow inventoryは2008年10月以来の低水準になった p185

・トッドフランク法の5%リスク保持ルールとそれの適用除外となるQuality Residential Mortgage(QRM)。QRMの定義が今後のアメリカの持ち家政策を大きく左右する p272

・2019年11月にblackstoneは戸建賃貸のinvitation homes株を売却し総額7000億円程度の利益を稼ぐ

・2022年6月に住宅取得コストの増加やPEの戸建て不動産賃貸による立ち退きを問題意識とした"Where Have All the Houses Gone?"なる下院議会の公聴会が開かれる。

リーマンショック後のS&P指数の底値は2009年3月9日

疑問

・住宅ローン減税の持ち家促進効果はどの程度あるのか?

Manufactured Homeでもagency/gseローンは可能か?

・住宅ローンの流通市場の整備にリソースをさいていた背景には銀行融資の慣習的差別(redlining)とかあったのか?

・S&Lはなぜ全期間変動の住宅ローンを提供してalmリスクを回避しないのか?

サブプライム危機時に(債務不履行率と関係あると思われる)固定資産税の減税のような政策がなかったのはなぜか?

・金融機関への公的資金投入は日本やイギリスの経験があったが、住宅不動産市場のテコ入れ政策はどこから来たのか?

911アメリカのマイノリティーへの住宅政策にどのような影響があったか?

・コロナ禍の住宅政策とは(cares法など)?Mortgage Forbearanceした人は何世帯ぐらいあったのか?

・zoningの変更は何故難しいのか?

・iBuyerは不動産流通産業にどのような影響があるか?

airbnbアメリカで100万件程度のlisting(hosts数は60万人程度?)、全hostsに350~400億ドル程度の賃料収入のようだが、不動産流通産業にどのような影響があるか?

・一次取得者にとり住宅所有が難しくなっている傾向が指摘されているが、今後どのようになるか?

・NARのデータはどこまで信頼できるか? (在庫に関して ,pocket listingなどのoff-mls ,fsbo ,fsbo価格)

FRBはいつMBSを売るのか?

量的金融緩和の縮小とは?バカによる、バカでもわかる「テーパリング」ーインマンー | ハワイの不動産投資|アーバンレックハワイ

GSEは今後どうなるのか?

ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)とフレディーマック(連邦住宅金融抵当公庫)の行方ーインマン | ハワイの不動産投資|アーバンレックハワイ

When Will Government Control of Freddie Mac and Fannie Mae End? (Part 1) – NYU Furman Center

自分用データ集:

30年固定MBS平均金利

https://fred.stlouisfed.org/series/MORTGAGE30US#
住宅許可件数

https://fred.stlouisfed.org/series/PERMIT

住宅着工件数

https://fred.stlouisfed.org/series/HOUST

中古販売件数 existing home sales

https://tradingeconomics.com/united-states/existing-home-sales

住宅在庫

https://www.nytimes.com/2021/02/26/upshot/where-have-all-the-houses-gone.html

https://www.realtor.com/news/trends/u-s-has-a-shortfall-of-6-5-million-single-family-homes-due-to-a-decade-of-under-building-report-says/

空き家率

https://fred.stlouisfed.org/series/USHVAC#
賃貸住戸数

https://fred.stlouisfed.org/series/ERNTOCCUSQ176N#
賃貸空室率

https://fred.stlouisfed.org/series/RRVRUSQ156N#
住宅ストック数戸数

https://fred.stlouisfed.org/series/ETOTALUSQ176N#

https://www.census.gov/housing/hvs/files/currenthvspress.pdf
家計純資産残高

https://fred.stlouisfed.org/series/BOGZ1FL192090005Q#
家計部門の不動産における自己資本残高

https://www.urban.org/sites/default/files/publication/101091/september_chartbook_2019_1.pdf

https://fred.stlouisfed.org/series/OEHRENWBSHNO#

家計部門の不動産における自己資本と負債のGDP

https://fred.stlouisfed.org/graph/?g=VwvS#

The new disconnect between mortgages and house equity | FRED Blog

家計部門の負債残高

https://fred.stlouisfed.org/series/HNOTMLQ027S#

https://www.newyorkfed.org/medialibrary/interactives/householdcredit/data/pdf/HHDC_2023Q1
インフレ調整後のシラー指数・全国

https://www.gurufocus.com/economic_indicators/4535/inflation-adjusted-spcaseshiller-us-national-home-price-index-adjusted-to-todays-dollar

家賃指数

https://www.investors.com/news/single-family-home-rentals-rise-of-large-landlords/

https://www.nytimes.com/2021/02/26/upshot/where-have-all-the-houses-gone.html

戸建賃貸数

https://www.rentalhomecouncil.org/wp-content/uploads/2022/07/Facts-about-SFR-July-2022.pdf
MBS発行残高

https://www.urban.org/sites/default/files/publication/101091/september_chartbook_2019_1.pdf

U.S. : mortgaged-backed securities outstanding 2000-2021 | Statista

https://www.newyorkfed.org/medialibrary/media/research/staff_reports/sr1001.pdf

MBS発行内訳

https://www.urban.org/sites/default/files/publication/101091/september_chartbook_2019_1.pdf

Agency/GSEのmortgage pools残高

https://fred.stlouisfed.org/series/AGSEBMPTCMAHDFS#

政府系機関保有MBS残高

https://fred.stlouisfed.org/series/BOGZ1FL403065005A#

FRB保有MBS残高

https://fred.stlouisfed.org/series/WSHOMCB#

https://www.federalreserve.gov/releases/h41/20230727/
戸建てローン残高推移

https://fred.stlouisfed.org/series/ASHMA#

戸建てローンの支払遅延率

https://fred.stlouisfed.org/series/DRSFRMACBS#

家計foreclosure,bankruptcy件数

https://www.mortgagecalculator.org/helpful-advice/mortgage-statistics.php
その他

銀行による戸建てローン残高推移

銀行による不動産ローン残高推移

不動産市場の過熱指数(Market Hotness Index by realtor.com)

 

What's behind the sharp decline in mortgage delinquencies? - HousingWire

Shadow inventory falls to 2008 levels – Reno, Incline Village, Sparks, Carson City, and Northern Nevada Real Estate Blog

 

The Fed - Did the Federal Reserve's MBS Purchase Program Lower Mortgage Rates?

How Will the Fed Reduce Its Balance Sheet? | St. Louis Fed

米国MBS市場の現状とわが国へのインプリケーション

米国の金融安定化対策と財政負担

システム上重要な銀行入門

Warehouse Lending概要|DK

 

https://www.aei.org/carpe-diem/the-real-estate-crash-of-the-1980s/ 

HUD Losses From Noncomplying FHA Loans Top $11M – DSNews

消費者不在の住宅ローン市場と法規制の動向:研究:Chuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

Home-loan scam leader sentenced to 9 years, to pay $1.2M | The Blade

アメリカ:マイホーム購入資金調達の新しいビジネスモデル9選 | ハワイの不動産投資|アーバンレックハワイ

売主にも買主にも人気の、住宅ローンの金利を下げる方法 | ハワイの不動産投資|アーバンレックハワイ

Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)を詳しく – アメリカ不動産購入 / 投資のご相談なら – Wedge Realty Consulting, LLC

ファーストルック・プログラムとは ~ 後編 – アメリカ不動産購入 / 投資のご相談なら – Wedge Realty Consulting, LLC

毎月の支払いが$803にまで下がる – アメリカ不動産購入 / 投資のご相談なら – Wedge Realty Consulting, LLC

 

倒産、解散、売却したサブプライムレンダー一覧

UPDATE 2-Aegis Mortgage files for Chapter 11 bankruptcy | Reuters

Zillow Home Loans,LLC

Opendoor Home Loans LLC

OpenDoor Financial Services Corporation

 

Accredited Mortgage Loan Trust 2004-1, Asset-Backed Notes, Series 2004-1 | Reports | Moody's

 

Accredited Mortgage Loan Trust 2005-1, Asset-Backed Notes, Series 2005-1 Credit Rating - Moody's

Mish's Global Economic Trend Analysis: WaMu Pool WMALT 2007-0C1 August Update

WaMu Alt-A Pool Revisited (NASDAQ:COOP) | Seeking Alpha

GSAMP Trust 2006-NC2 | Reports | Moody's

GSAMP TRUST 2006-NC2 - Amended Annual Report (10-K/A) Report of Independent Registered Public Accounting Firm

https://medium.com/@placeof/

 

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書評『世界経済危機とその後の世界』

リーマンショック以降の世界について、色々な論点があり面白い本でした。

証券化時代の信用創造自己資本規制のあり方」「ドイツの状況及びドイツ銀行の苦境」辺りが特に面白かったです。観念的な正義を政治が無理に押し付ける、金融機関の倫理の低さ、怪しげな金融商品への需要、一定の人口流入などドイツが次の国際的な金融危機の中心地になる可能性もあるのかな、という気もしました。

アメリカ流コーポレートガバナンスの失敗」「アメリカ流ファンド資本主義の失敗」については、確かに破綻した投資銀行AIGGMやGEなどのコーポレートガバナンスは問題あったと思いますが、一方でGAFAMなり非常に成功しているのもアメリカの企業なので少し表面的な気がしました。MMFは何故日本で普及していないんですかね。バークシャーがSIFIに指定されていないのかは良く分からないですが、何となく感情的な議論に感じました。こちらの書評でもこの辺の議論の評価が少し低いように見受けられました。

「グローバルな流動性を前提とした中央銀行のあり方」に関する議論は良く分かりませんでした。

メモ:

・ドイツの監査役会の持ち回り。社外取締役の持ち合い? p175

・ドイツの州立銀行に対する公的保証債務は2005年に廃止。証券化投資商品の強化。 p157

http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2008/2008win11.pdf

アメリカで1975年に株式売買委託手数料の自由化、1983年に証券公募発行の一括登録制度の導入などの投資銀行周りのルールの変更。p123

ヘッジファンドは2006年のCDS取引の58%。危機前にCDOの46.5%(エクイティトラッシュのうち71.8%)保有。 p135

https://www.mckinsey.com/~/media/McKinsey/Featured%20Insights/Global%20Capital%20Markets/How%20the%20new%20power%20brokers%20are%20shaping%20global%20capital%20markets/MGI_Power_brokers_shaping_global_markets_full_report.pdf

https://www.oecd.org/finance/financial-markets/39654605.pdf


・AgencyとGSEsの証券化は準備金と自己資本を積む必要がない銀行の信用創造につながった。預金通貨はMMMF出資金に。 p32

ABCP流動性補完に対する自己資本比率バーゼル2だとは必要自己資本を1.6%(1年以上のリスクウェイト20%)、アメリカでは0.8(10%)で良かった 。シャドーバンクを通じた簿外取引の拡大 p7

・2007年Q3以降にABCPがオンバランスになると事後的な信用創造が発生。準備金はAgencyとGSEsの証券化FRBのレポ債権。M3の伸び率の上昇 p45

https://www.federalreserve.gov/Releases/Z1/20090312/z1r-3.pdf

 

http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~iwamoto/cgi-bin/wp/wp-content/uploads/2016/12/NCCU07.pdf

・「(新しい会計基準である)SFAS157の適用は、2007 年 11 月 15 日後開始する事業年度(及び当該事業年度の四半期)からだが、 早期適用も認められている。 SFAS157 号が適用されれば、サブプライム関連の CDO などの公正価値が、従来より統一性のとれた客観性 の高い方法で算定され、その結果、従来明らかにされていなかった評価損(売買目的に区分している場合 の評価損、満期保有目的の債券や売却可能証券(「その他有価証券」に該当)の減損損失)が損失として計上される可能性」

https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/commercial/07111601accounting.pdf

 

日本ではなぜMMFが普及していないのか|服部孝洋(東京大学)

欧米の大手金融機関における投資銀行部門の展望

サブプライム問題からABCP問題へ

Do Global Banks Spread Global Imbalances? The Case of Asset-Backed Commercial Paper During the Financial Crisis of 2007–09

Understanding the Securitization of Subprime Mortgage Credit

The Subprime Crisis: Size, Deleveraging and Some Policy Options 

Structured Products: Implications for Financial Markets

Subprime Markets, the Role of GSEs,  and Risk-Based Pricing  

 

For Cerberus and Chrysler, a Very Public Disaster - The New York Times

Tarnished Image Places Welch in Unlikely Company - The New York Times

Gone by the board? Why bank directors did not spot credit risks

Did Corporate Governance "Fail" During the 2008 Stock Market Meltdown?

The Private Equity Boom: Causes and Policy Issues

 

Die Gefahr einer Immobilienblase steigt - Cash. | Aktuelle Finanznachrichten online

»Wir sind gute Handwerker« - DER SPIEGEL

Perlentaucher in der Flut - DER SPIEGEL

Der größte Raubzug der Geschichte: Warum die Fleißigen immer ärmer und die Reichen immer reicher werden : Weik, Matthias, Friedrich, Marc: Amazon.de: Bücher

 

平成21年度国際共同研究 「世界金融・経済危機に関する研究」|内閣府 経済社会総合研究所 

大バブルの長期的反復の危険性

 

書評『銀行カルテ』

2008年のリーマンショック及びそれ以降の金融業界について凄く分かりやすくまとまっている本でした。また、データも多く細かな記述の正確性が信頼出来そうなのもうれしいです。案外こういう短く事実を網羅した本が英語では無い気がします(文章が長いドキュメンタリーになりがち?)。

 

バルカスレポートよりリーマンのレポ150の説明(倒産隔離の要件のため英国子会社で実施、みずほ銀行などが相手方)及び債務超過だったと考えるべきではないかという著者の意見、JPモルガンやwells fargoの巨額罰金の背景、ゴールドマン・サックスマーカスに至る経緯、zelle誕生の背景、ドイツ銀行の苦境、邦銀のCLO投資などどれも興味深かったです。

FRBAgency MBSをバランスシートに計上している限りサブプライム危機は終わらない(p212)、というのが示唆的でした。

fed nowとかbanking as a serviceとか最近の動向を著者はどう思っているのでしょうか。

 

 

メモ:

・1990年代までドイツも銀行を中心に株式の持ち合い

・ドイツは民間商業銀行、貯蓄銀行信用協同組合の3つのタイプの銀行がある(p77)。貯蓄銀行地方自治体が設立母体、ランデスバングは貯蓄銀行と州政府が出資して州単位の業務。

https://www.iima.or.jp/docs/column/2019/ei2019.8.pdf

サブプライム危機で多くのドイツの銀行が損失を重ねた

https://www.econstor.eu/bitstream/10419/30798/1/593928032.pdf

・2007年頃まで多くの投資銀行モーゲージバンクを買収した(ゴールドマンは含まれていない?)。

https://fcic-static.law.stanford.edu/cdn_media/fcic-docs/2007-03-20%20Lehman%20Board%20presentation%20on%20Subprime%20Mortgage%20Origination%20Business.pdf

サブプライム問題で一番損失額が多かったのがciti bankで、3060億ドルの資産保証、株式の34%を政府が保有するに至った。その背景には、2008年11に提出された資料で推定損失額が44億ドルであることだった。

https://fcic-static.law.stanford.edu/cdn_media/fcic-docs/2008-11-23%20FDIC%20Board%20of%20Directors%20Memo%20re%20Citi.pdf

・2010年4月にIMFは全世界の金融機関の損失額は2.3兆ドルと推定した。

Global Financial Stability Report, April 2010: Meeting New Challenges to Stability and Building a Safer System

AIG救済のための「メイデンレーン2(主に、alt-aとサブプライムmbs)」「メイデンレーン3(主に、マルチセクターCDO)」の受け皿会社はそれぞれ28億ドル、66億ドルの利益をニューヨーク連銀にもたらした(p207)。なお、証券貸出業務に関連して437億ドル、CDS業務に関連して621億ドルのカウンターパートへの支払いがあった。

 

・リーマンの清算手続きは9年。3615億ドルの訴訟請求、750億ドルが返還、21%の返還率(p184)。日本での清算手続き

FRBの主な流動性支援制度

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2020/03/irepo200319.pdf

 

コラム:問題児に転落したドイツ銀のハイブリッド債 | ロイター

ドイツ銀、ポストバンク売れない理由はCoCo債-資本強化で板挟み - Bloomberg

ドイツ銀が米司法省と和解、MBS不正販売で72億ドル支払い | ロイター

ドイツ銀行に17億円の罰金、ダンスケ銀の資金洗浄事件関連で - Bloomberg

最近のドイツ銀行を巡る課題

米FRB保有資産、MBSなど含み損3300億ドルに 第1四半期 | ロイター

FRB、損失覚悟でMBS売却も=クリーブランド連銀総裁 | ロイター

BNPパリバに罰金89億ドル 米司法省、ドル決済も1年禁止 - 日本経済新聞

シティ、罰金70億ドル合意 ローン証券不正販売巡り - 日本経済新聞

米ウェルズ・ファーゴ、制裁金2300億円 住宅ローン不正で - 日本経済新聞

米銀ウェルズ・ファーゴ、不正巡り制裁金4800億円 顧客補償も - 日本経済新聞

ゴールドマン、消費者部門マーカスのローン大部分をバルデに売却 - Bloomberg

伊モンテ・パスキ、増資を来週実施へ 8銀行が引き受け | ロイター

ドイツ銀や野村の元幹部、逆転無罪-伊モンテパスキ損失隠し控訴審 - Bloomberg

MUFG、クレディSのAT1債950億円を富裕層に販売ー無価値 - Bloomberg

独コメルツ銀が14.5億ドル支払い、オリンパス問題などで米と和解 | ロイター

クレディ・スイスはどこで道を誤ったのか - SWI swissinfo.ch

 

UBSのヘッジファンド,突然の閉鎖の裏側-LTCM並みの損失も - Bloomberg

オランダ政府、ABNアムロとフォルティス銀に4000億円資本注入へ - Bloomberg

For German banks, the subprime war isn’t over

DZ Bank joins list of German victims of U.S. subprime crisis - The New York Times

ローンスターがメリルの不良資産取得、PEの存在感に再び脚光 | ロイター

IKBドイツ産業銀に新たな政府主導の救済策-第3弾、15億ユーロ - Bloomberg

ドイツのIKB:米ローンスター・ファンズが買収へ-KfW - Bloomberg

IKB救済で国民に巨額負担 - ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト

米ベアーSを英バークレイズが提訴-ヘッジファンドの破たんで損失 - Bloomberg

NY連銀、メイデン・レーン資産の売却終了へ-AIGに利益 - Bloomberg

ゴールドマン、米司法当局と50億ドル支払いで和解 - WSJ

ドイツが最大70兆円規模の金融支援策を発表 | Reuters

ドイツ内閣、銀行救済基金の活用再開で合意=関係筋 | Reuters

Court approves Lehman plan to exit bankruptcy | ロイター

金融市場Watch Weblog 「レポ105」~どこかで見た光景

みずほが金融危機後に3メガ中で劣後、不振深刻化を不安視された2つの理由

米リーマン、法的管理終了 4月から債権者へ弁済 - 日本経済新聞

After 14 years, Lehman Brothers' brokerage ends liquidation | Reuters

The Failure Resolution of Lehman Brothers (2014) Michael J. Fleming and Asani Sarkar

 

バークシャー・ハザウェイのバンク・オブ・アメリカへの出資に対する反応

Table: Subprime-related losses at major banks

Stock Czar: Banks' Subprime Losses Top $500 Billion on Writedowns- Pain Not over

Wall Street Wizardry Amplified Credit Crisis - WSJ