全球観察

全世界の様々なトレンドを記録していきます。

時代

書評『アメリカ金融革命の群像』

アメリカの個人向け金融サービスの発展に関する本で、知らない固有名詞が非常に多かったですが、結構楽しめました。 ひとまず「なぜJCBは単なるクレジットカード会社で終わったのか」「なぜ日本ではMMFが普及しなかったか」「なぜ日本のひふみ投信みたいのは…

書評『史上最大のボロ儲け』

「世紀の空売り」と同じようなテーマについて扱っていますが、この本では2007年に150億ドル、2008年に50億ドルの利益をあげたとされるJohn Paulson氏が主な主人公となっています。なお、Paulson自身はあまりこの本が好きではないようです。 この本に少し出て…

書評『リーマンショック 5年目の真実』

リーマンショック前後の出来事がコンパクトにまとめられてあり面白かったです。強いて言うならば、2007年1月9日に発表されたiphoneがどの程度米国経済の回復に貢献していたのかとかドバイショック とかももう少し知りたかったです。 何故か欧州ソブリン危機 …

書評『世紀の空売り』

なかなか面白い本でしたが、結局2016年頃に住宅価格は2006年頃の最高値を越えていることを考えると、当時住宅価格が大幅に下落することを予見するのは容易ではなかった、更にその下落が金融市場にも多大なる影響を及ぼすことを予見するのは容易ではなかった…

書評『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ 等々』

バフェット氏のこれまでの取引に関する本を2つ読みました。これほど各取引の詳細が公開されていて、かつ会計士の署名もある場合も多いのが凄いです。バフェット氏が何を考えたのか、だけは想像になってしまいますが、これだけ事実が積み重なると想像するのも…

書評『バフェット』

「不思議の国のM&A」が参考になったので同じ著者のバフェット本を読みました。内容的に結構網羅的で、書いてある内容も信頼出来る気がしました。ただ、この本は1999年に出版されていますが、著者の頑張って砕いて説明している文章を読んでいると、日本社会の…

書評『心を鍛える』

堀江氏の本と藤田氏の本を読んだので二人が対談するとどうなるだろう、ということで急いでその辺の本屋で立ち読みしてきました。 内容的には、すでに読んだ本とほとんど同じかなと言う感じでした。 藤田氏に関しては、abemaを何故、IGポートと連携したnetfli…

書評『ヒルズ黙示録・最終章』等

2005~2006年頃の「ニッポン放送株買収」「阪神・阪急の合併」「村上ファンドのインサイダー事件」「ライブドア事件」について面白く読めました。 最後のページに書いてあることに凄く納得感がありました。2004年頃にGoogleがIPOして2005年にFacebookのシリー…

【ネタバレ有り】ララランド

ララランドを観た。 ↓ネタバレ有り 観終わった瞬間は何というか盛り上がりに欠けた。正直駄作だと思った。 部分的に色彩やファッションや雰囲気や俳優/女優やダンスや静止画は良いところもあるなと思ったけれども、総合的に上手く入り込めなかった。まあ、こ…

大統領令と司法府

イスラム教圏を中心とする7ヶ国からの移民/難民を米国に入国させない米国大統領令が発布された。 www.whitehouse.gov 移民の国アメリカの理念の保持という観点から多くの反対を招いたが、同時に世論調査では半数程度の米国民の賛成がみられた。 そもそも論と…

感覚的な話

感覚的な話。 2016/12/4のイタリアの国民投票・オーストリアの大統領選挙。2017/3月のオランダ総選挙。2017/5/7のフランス大統領選挙。 こうした投票を通じてEUは、右派政党の台頭・EU分裂傾向を示していく気がする。 ドイツ銀行やイタリアのモンテパスキ銀…

中国の長い国境と東側の安定という彼らの核心的利益

キルギスにある中国大使館に対して自爆テロが起きたらしい。 www.nikkei.com ふと、以前新聞で読んだ中国の研究者(女性?)の「中国の歴代政権は長い国境線の一部が不安定化して行くことで崩壊していった。中国にとって歴史的にも最も不安定なのは西側の国境線…

時代の移り変わりと持続可能性

家の近くに都内では結構有名なカフェブームの発端となったらしいおしゃれ系カフェがある。 最初はそんなこと知らなくて、引っ越ししたころに散歩がてら入って結構良いなと思って、これからの生活で結構行くことになるのかなと思ったけれども、結局ほとんど行…

コンテンツ配信に関する雑感

dtvの独自コンテンツの「裏切りの街」を見た。 ストーリーはありきたりな、日常性に埋没した男女が不倫に走るみたいな感じ。逆にありきたりだからこそ、役者の演技やその他スタッフの技術力が必要なのだろうけれども、その点では結構クオリティーは高いと思…

ボクにとってのラストワンマイル

ヤクルトレディーは毎週月曜日の午前8時半に来ます。ヤマトも佐川も荷物はそのヤクルトレディーに渡してくれませんか。日本郵便は来ないで下さい。

日本政府がある程度意図しながら作った状況なのかな

イスラム国と言われる武装集団 or 国家?が日本人人質2人を取っている。約2億ドル or ヨルダンの政治犯の釈放を主張している。情報が錯綜しているが、ふと日本政府の政治技術が長けている気がしたのでメモ。 今回の事案に於けるイスラム国側の選択肢: ①約2億…

The Economistの年末号を読みながら適当に2014を振り返る

The Economistの年末号を読みながら適当に2014を振り返る まずはThe world this yearから 1、ウクライナで政変が発生→ロシアが東部ウクライナに"侵略"し、クリミア半島がロシアに。 →EUと米国を始めとする諸国は経済制裁。2、石油価格が大幅に安くなる ←世…

日本版『PLAYBOY』を作るべき

まずピーター・フランクルの『ピーター流外国語習得術』を引用しよう。 二人は悲しい顔をして出かけました。でも、帰ってきたときにはなんと『プレイボーイ』を六冊も持ってきてくれました。うれしくてうれしくて、真ん中にある見開く三ページぐらいの大きさ…

Chromebookのメモ

Googleの提供する"Chrome OS"を使ったChromebookがデスクトップ環境を変えそうだ。特に、新興国や法人向けデスクトップ環境が大きく変わる可能性がある。そのようなことを今月13日に次の記事を見て思った。 Chrome OSでWindowsアプリ実行が可能に〜米Google…

井上章一『パンツが見える』書評

私達の羞恥心が時代によって異なっていたこと、人々の価値観が移ろいやすく絶対的でないこと、そのようなことをこの本は示している。 現代の感覚とは相当異なるが、昭和初期までは日本の女性はパンツを履いておらず、また履きたがっていなかった。同時に恥部…

高木徹『戦争広告代理人』書評

確かに奇妙なことだった。1992年から1995年まで続いた「ボスニア内戦」は内戦であるのにセルビア系住民だけが国際社会から避難を浴びていたのだ。「民族浄化」的戦争行為は他民族の住民達もしていたのにセルビア系住民だけがしていたことになっていたのだ。…

日本社会を変える政治手段としての「北方領土」問題

ロシアとの「 北方領土」問題が進展しそうだ。どのような方向性で進展するにせよ、現実的な解決策を模索する上で必ず通らなければならない問題は「今住んでいる住民たちをどうするか」である。 小熊英二氏の『私たちはいまどこにいるのか』に【「北方領土」…

AWSは破壊的だが、OpenStackはそこまで世界を変えない

クラウドコンピューティングはわたくしたちの生活や仕事のあり方を大きく変えている。dropbox・クックパッド・netflixなどにクラウド環境を提供しているAWS(amazon web service)はそのなかでも圧倒的な存在感とサービスの充実感を持ってきた。だが、そうした…

スコットランドは独立すると思う

私はスコットランドは独立すると思う。そしてそれはある小さな島国での出来事ではなく、同時多発的に全世界の人々の意識に「時代」を感じさせるだろう、と思う。

だれがゲームを支配しているのか?

中国のPMI速報値が49.6と市場予想より低い水準という2014年1月22日の発表後 、幾つかの新興国で輸出への不安からか急激に通貨安が進み、同時に世界的な株安状況を続いている。 Emerging markets: It's like 1997 all over again| The Economist 2014年1月27…

21世紀の矛盾論:信号をめぐるたたかい

毛沢東が『矛盾論』を発表してから数十年たった現在。私達の社会には未だに、様々な矛盾が存在し、同時それらを解消しようとする動きが社会の動力になっている。 今私達の社会に存在する最も重要な矛盾の象徴。それは「信号」であるかもしれない。 例えばこ…

私はテレビを見るタイプの人間だ

私のテレビはソニーだ。 リビングに置いてある。インテリアとしてのテレビの価値はまだ理解されていないと思う。10年以上前に買ったテレビ、それ以来インテリアとして、極東の島国のある小さな家庭を見守ってきた。ありがとう。 思い出もある。ちょうどPS2が…

Sappy -その可能性の中心-

19世紀にイギリスで産業革命が起き、同時に社会に様々な矛盾が現れるとマルクスが「資本論」などの本を著し世界をにぎわせた。 20世紀になると第一次世界大戦のドサクサに紛れレーニンがソ聯という国を作ったが、数十年後には解体した。 そうした時代の文脈…

【新京報】今年何故私は故郷に帰らないのか?

北京の新聞である新京報に"春节不回家的N个理由(正月に帰郷しないN個の理由)" 春节不回家的N个理由_特别报道_新京报网 という記事があってちょっとした移民文学みたいだった。帰りたい、帰らない、さやうなら故郷•両親。そのような内容をN人の北京人が独白し…

時代はコンクリートエイジ

時代はコンクリートエイジ http://concreteage.blogspot.jp/